2025.9.23

高濃度ビタミンC点滴とは?効果・副作用・費用・美容や免疫力への影響まで徹底解説

高濃度ビタミンC点滴とは?基本の仕組みと特徴

高濃度ビタミンC点滴とは、1回に12.5g~100gのビタミンCを点滴によって摂取する治療です。これは通常の食事やサプリメントでは到底摂取できない量で、例えば1回の点滴で25g投与した場合、およそレモン1,250個分のビタミンCが投入されます。

高濃度ビタミンC点滴療法はもともと、アメリカでがん治療の民間療法のひとつとして開発されたといわれています。ライナス・ポーリング博士(ノーベル賞2度受賞)によって発見された、驚くべき癌の代替治療法として注目を集め、現在では美容や健康維持の目的でも広く使用されるようになりました。

ビタミンCは水溶性ビタミンで、皮膚や細胞のコラーゲンを合成するために必須であり、健康維持や美容において欠かせない成分なのです。また、抗酸化作用を持ち、活性酸素細胞の働きを抑える効果もあります。

点滴と経口摂取との違いとは

高濃度ビタミンC点滴と経口摂取では、体内への吸収効率に圧倒的な差があります。ビタミンCを食べ物、サプリメント、内服薬などで経口摂取した場合と比べて、高濃度ビタミンC点滴療法の方が、血中のビタミンCの濃度は10~100倍高くなると言われています。

経口でビタミンCを摂取する場合、消化管から吸収されたのち血中に移行します。多量のビタミンCを摂取しても、消化吸収できる量には上限があり、超えた分は体外に排出されてしまいます。

一方、点滴による投与では、経口摂取と比べて、点滴はビタミンCの血中濃度を20~40倍以上に増やします。これにより、短時間で大量のビタミンCを全身に行き渡らせることで、より顕著な美容・健康効果を得ることが可能になるのです。

高濃度ビタミンC点滴で期待できる主な効果

美容・美白・エイジングケアへのアプローチ

高濃度ビタミンC点滴は、美容面で多岐にわたる効果が期待できます:

美白効果 ビタミンCには、先ほどご紹介した抗酸化作用だけでなく、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制する作用があります。肌が紫外線を浴びると活性酸素が発生し、肌を守るためにメラニンが生成されます。これがシミのもとになります。ビタミンCはシミの原因となるメラニン生成を抑制・還元(美白作用)させる働きがあるので、シミの予防、改善をします。

コラーゲン生成促進 健康な皮膚や血管、筋肉、骨などを作るのにコラーゲンは欠かせません。ビタミンCは繊維芽細胞の働きを高め、コラーゲンの生成を促進する作用があります。コラーゲン生成を促進することで、肌のハリや弾力を保つことができます(しわ・たるみの防止)。

アンチエイジング効果 高濃度ビタミンC点滴を受けると、体内に取り込まれた大量のビタミンC自体が酸化することで体内の酸化を防ぎます。そのため、老化を緩やかにする効果が期待できるのです。

免疫力向上・疲労回復・ストレス軽減への効果

免疫力向上 高濃度ビタミンC点滴を受けている人は、風邪やインフルエンザにほとんどかかりません。高濃度ビタミンCは体力を回復させた上に、免疫力を向上させます。実際に、2016年には25歳男性のインフルエンザ重症例に50gのビタミンC点滴を3日連続で投与したところ、著しい症状改善と早期回復が得られたと報告しています。

疲労回復・ストレス軽減 ストレスは活性酸素を増加させ、疲労の原因となります。また、ストレスによってビタミンCを多く消費します。高濃度ビタミンC点滴はストレスによるビタミンCの消費を一度に補うことが可能です。そのため、高濃度ビタミンC点滴は、疲労からの回復を早め、ストレスを緩和する作用があるといえます。

ニキビ予防・改善 ニキビができる原因は、皮脂が過剰に分泌されることにより毛穴が詰まり、アクネ菌が増殖することです。ビタミンCは皮脂の分泌を抑える作用があるため、ニキビ予防の効果が見込めます。さらに抗炎症作用でできてしまったニキビの炎症を抑え、症状が悪化しないようにする働きもあります。

がん治療の補助療法としての活用事例

高濃度ビタミンC点滴は、がん治療における補助療法として注目されています。血液中のビタミンCの濃度が高くなることで発生する過酸化水素には、がん細胞を攻撃する働きがあることが分かっています。この時、周囲の正常な細胞はダメージを負いません。

糖を栄養とするガン細胞は、構造が類似したビタミンCを積極的に取り込みます。その際、毒性のある過酸化水素が大量に発生します。ガン細胞は過酸化水素を除去する酵素が乏しいため、結果として死滅します(正常細胞は過酸化水素を分解する酵素を持っているので影響がない)。

最新の研究では、2024年に発表された論文で、遠隔転移があるステージ4の膵臓癌と診断された34人に、通常に化学療法だけ受けたグループと化学療法に週3回、1回75gの高濃度ビタミンC点滴をしたグループに1:1に割りつけして、生存期間を比較しました。すると、化学療法だけ受けたグループは全生存期間が中央値8.3カ月であったのに対して、高濃度ビタミンC点滴を受けたグループは16カ月と延長したのです。

副作用やリスク、安全に受けるための注意点

結論として、高濃度ビタミンC点滴は、必要な事前検査や現在の健康状態を確認するための診察を受けていれば危険ではありません。重要な副作用はないと報告されていますが、以下のような副作用が起こる可能性があります:

よく見られる副作用

点滴による痛み 点滴治療全般に言えることですが、点滴刺入部に局所的な痛みを感じることがあります。大量のビタミンC点滴は浸透圧が高いため、痛みの原因となります。こういった条件で起こる痛みに対しては、温めたり、点滴の速度をゆっくりにしたり、点滴の中にマグネシウムを加えることで対処します。

眠気・めまい 比較的よく見られる症状で、おもにビタミンCの抗ヒスタミン作用によると考えられています。ビタミンCの抗ヒスタミン作用により、一時的に眠気を感じる場合があります。

低血糖症状 ビタミンCはブドウ糖と化学構造が極めてよく似ており、高濃度ビタミンC点滴によって体は「ブドウ糖が入った」と勘違いして、血糖を下げるインスリンを分泌することがあります。そのため低血糖を生じることがごく稀にあります。

治療を受けられない方

以下の条件に該当する方は、高濃度ビタミンC点滴を受けることができません:

  • G6PD欠損症の方:高濃度ビタミンCを投与したことで赤血球が壊れてしまう場合があります。酵素のひとつである「G6PD」が欠損している方に多い症状です。事前検査を行えば知ることができます。
  • 心不全や腎不全の方
  • 透析中の方
  • 大量の腹水や強い浮腫のある方

施術の流れと所要時間について

初回の流れ

  1. 医師による問診・診察
  2. G6PD検査:G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は、この治療を受けることができません。そのため、初回投与時にG6PDの検査を行うことが推奨されます。
  3. 点滴の実施(検査結果に問題がない場合)

点滴の所要時間

点滴の量にもよりますが、おおよそ1時間〜1時間30分程度かかります。投与量や個人の血管の状態によって時間は変動します。

推奨される治療頻度

高濃度ビタミンC点滴の効果は長くても1週間程度です。そのため、効果を実感し続けたいなら定期的に施術を受けることが必要です。美容目的の場合は初めの1か月は1週間に1度、それ以降は1か月に1度の頻度で施術を受けると良いといわれています。

推奨される投与間隔:初回~2回目は2週間程度、2回目以降は2~4週間程度とされています。

高濃度ビタミンC点滴の費用相場と通院頻度

全国的な費用相場

高濃度ビタミンC点滴10~25g : 8,000円~25,000円程度が一般的な相場となっています。高濃度ビタミンC点滴の気になる費用相場は、1回14,000〜22,000円と幅広いのが特徴です。ビタミンCの配合量によっても値段は異なり、配合量が多いほど1回あたりの費用も高くなります。

高濃度ビタミンC点滴の料金は、自由診療のため各医療機関によって金額に差があり、ビタミンCの含有量によっても異なります。目安としては1~3万円程度が多いようです。健康保険の適用にはならず基本的には全額自己負担となります。

費用に影響する要因

料金は、クリニックの場所や、医師・スタッフの技術力、患者さん一人一人に対する時間のかけ方、点滴するスペースの取り方なども料金に影響します。都心の一等地のクリニックと地方のクリニックとでは、料金に差がでやすいですし、また、時間をとって問診を丁寧にするかどうかでも料金設定が変わることもあります。

特に重要なのは使用する製剤の品質です。大きな価格差の要因のひとつとして、使用するビタミC製剤の価格と質があります。今、国内で使用されているビタミンC製剤は、アメリカ、韓国、オーストラリア、アイルランド、国内産などがあり、質も価格もさまざまです。

効果を最大化するためのポイント

定期的な治療の重要性

高濃度ビタミンC点滴は3回繰り返す毎に効果を体感しやすいとされています。一回の治療だけでなく、継続的な治療によってより大きな効果が期待できます。

治療前後の注意事項

  • 治療前:点滴前はできるだけ食事を摂取していただくようにしています(低血糖予防のため)
  • 治療中:点滴中はミネラルウォーターやノンカロリーのお茶などでこまめに水分補給を行っていただきます
  • 治療後:施術当日は激しい運動や長い入浴、激しい運動などは控えるようにしましょう

生活習慣との関係

特にタバコを吸う方や受動喫煙のリスクが高い方は、より多くのビタミンCを必要とします。タバコに含まれるニコチンはビタミンCを破壊し、体内に多くの活性酸素が発生するからです。喫煙者の方は特に高濃度ビタミンC点滴の効果を実感しやすいと考えられます。

まとめ

高濃度ビタミンC点滴は、美容・健康・がん治療の補助まで幅広い効果が期待できる治療法です。経口摂取では得られない高濃度のビタミンCを体内に直接投与することで、美白・美肌効果、免疫力向上、疲労回復、ストレス軽減など多岐にわたる効果が期待できます。

重篤な副作用は報告されておらず、適切な事前検査と医師の管理下で行えば安全性の高い治療法です。ただし、効果を実感するためには定期的な治療が重要となります。

群馬県高崎市で高濃度ビタミンC点滴をお考えの方は、豊富な症例数と確かな技術を持つ高崎CLINIC Wにご相談ください。JR高崎駅徒歩5分の好立地で、丁寧なカウンセリングと安全性を重視した治療を提供しております。初回診察から継続的なアフターケアまで、トータルでサポートいたします。

美容と健康のための高濃度ビタミンC点滴を、ぜひ高崎CLINIC Wで体験してください。

ドクター紹介

院長 高橋 渉

院長 高橋 渉

  • LINEアイコン
  • Instagramアイコン
  • Xアイコン

資格

医学博士(東京大学)国際医学論文の執筆多数

所属学会

日本美容外科学会 正会員
日本美容皮膚科学会 正会員

年表

2008年 新潟大学医学部医学科 卒業
2010年 多摩総合医療センター ジュニアレジデント
その後、東京大学医学部附属病院 シニアレジデント、助教
2020年 大手美容外科 入職
その後、高崎院初代院長、品川院院長、技術指導医を歴任
2022年 東京美容医療クリニック、ウィクリニック勤務開始
2023年 吉祥寺アイビークリニック、盛岡美容外科 勤務開始
2024年 高崎でCLINIC Wを開業

関連コラム

この記事をシェアしよう

  • Xアイコン
  • LINEアイコン
  • FACEBOOKアイコン
  • HOME
  • コラム
  • エクソソーム点滴とは?効果・安全性・副作用・費用まで徹底解説【再生医療で注目の最新美容法】
TEL.027-386-2828 受付時間 09:30〜18:30 24時間 WEB予約