2025.10.31

頬のニキビの原因とは?繰り返す理由と正しいスキンケア・生活習慣を徹底解説

鏡を見るたびに気になる頬のニキビ。治ったと思ったらまた同じ場所に繰り返しできてしまう…そんな悩みを抱えていませんか?頬のニキビは、顔の中でも目立ちやすく、メイクでも隠しにくい厄介な存在です。

実は、頬のニキビは単なる肌トラブルではなく、体の内側からのサインである可能性があります。本記事では、群馬県高崎市の美容皮膚科CLINIC Wが、頬ニキビができるメカニズムから繰り返す原因、正しいスキンケア方法、効果的な治療まで徹底解説します。

頬のニキビができるメカニズムとは

頬のニキビは、毛穴の詰まりと炎症によって発生します。皮脂の過剰分泌→毛穴の詰まり(白ニキビ)→アクネ菌の増殖→炎症の発生(赤ニキビ・黄ニキビ)というプロセスで進行します。

頬の皮膚は、Tゾーンと比べて皮脂腺が少なく乾燥しやすい傾向があります。乾燥すると角質が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなります。また、頬は枕やマスク、手で触れる機会が多く、外的刺激や摩擦を受けやすい部位です。顔の中で広い面積を占めるため、ニキビができると非常に目立ちます。

頬ニキビの主な原因|皮脂・乾燥・摩擦・ホルモンバランス

頬ニキビは複数の要因が複雑に絡み合って発生します。主な原因を理解することで、適切な対策が可能になります。

皮脂バランスの乱れ

頬は本来Tゾーンほど皮脂分泌が多くない部位ですが、ホルモンバランスの乱れやストレスにより皮脂分泌が増加することがあります。特に生理前や生理中は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で皮脂分泌が活発になり、頬ニキビができやすくなります。

乾燥による角質肥厚

頬の皮膚が乾燥すると、肌を守るために角質が厚くなります。この角質肥厚により毛穴の出口が狭くなり、皮脂が詰まりやすくなります。「乾燥しているのにニキビができる」というのは、この角質肥厚が原因です。特に冬場やエアコンの効いた室内では、頬の乾燥が進みやすく注意が必要です。

摩擦や外的刺激

頬は日常的に多くの刺激を受けています。無意識に頬杖をつく、頻繁に顔を触る、マスクやマフラーの摩擦、枕カバーとの接触など、これらの刺激が肌のバリア機能を低下させ、ニキビの原因となります。特にマスク生活が続く中、マスクによる蒸れと摩擦で頬ニキビに悩む方が急増しています。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れは、頬ニキビの最も大きな原因の一つです。生理周期、ストレス、睡眠不足、不規則な生活習慣などがホルモンバランスを崩し、皮脂分泌を増加させます。特に女性は月経周期に伴うホルモン変動の影響を受けやすく、同じ場所に繰り返しニキビができることがあります。

内臓の不調との関連

東洋医学では、顔の特定の部位は体内の臓器と対応していると考えられています。右頬は肺、左頬は肝臓と関連があるとされ、これらの臓器の不調が頬ニキビとして現れる可能性があります。

肝臓の不調:肝臓は体内の解毒を担っており、アルコールの過剰摂取、不規則な生活、過労などで肝臓に負担がかかると、血液中の毒素が増加し、皮膚に炎症が起こりやすくなります。左頬に繰り返しニキビができる場合は、肝臓のケアを意識しましょう。

肺機能の低下:喫煙や空気汚染、呼吸器系の問題により肺機能が低下すると、体内の酸素供給が不十分になり、血液循環や新陳代謝が悪化します。その結果、頬にニキビができやすくなることがあります。

頬ニキビが繰り返しやすい人の特徴

同じ場所に何度もニキビができる方には、共通する特徴があります。以下に当てはまる項目が多いほど、頬ニキビが繰り返しやすい傾向があります。

生活習慣面:睡眠不足が慢性化している、ストレスが溜まりやすい、食生活が乱れている(高脂肪・高糖質の食事、ビタミン・ミネラル不足)

スキンケア面:過度な洗顔をしている、保湿が不十分、油分の多い化粧品を使っている、ニキビを潰してしまう

体質・環境面:月経前に悪化する、アレルギー体質、マスクを長時間着用している

これらの要因が複合的に作用し、頬ニキビが繰り返しやすくなります。自分に当てはまる要因を見極め、改善していくことが重要です。

シャンプー・枕カバー・マスクなどの外的刺激

頬ニキビの原因として見落とされがちなのが、日常生活における外的刺激です。これらの刺激を減らすだけでも、頬ニキビが改善することがあります。

シャンプー・コンディショナーの影響

シャンプーやコンディショナーに含まれるシリコンや界面活性剤が、すすぎ残しとして頬に付着すると、毛穴を詰まらせニキビの原因となります。シャンプーは髪を下に向けて洗い、顔に流れないようにし、洗顔は必ずシャンプー後に行いましょう。ノンシリコンや低刺激のシャンプーに変更するのも効果的です。

枕カバーの清潔さ

枕カバーには、寝ている間に分泌された皮脂、汗、フケ、ホコリ、ダニなどが蓄積します。不潔な枕カバーに頬を長時間接触させることで、雑菌が肌に移り、ニキビの原因となります。枕カバーは最低でも週1回、できれば2-3日に1回交換しましょう。タオルを枕に敷いて毎日交換する方法も効果的です。

マスクによる摩擦と蒸れ

長時間のマスク着用は、頬に大きな負担をかけます。マスク内は呼気により高温多湿になり、雑菌が繁殖しやすい環境になります。また、マスクの繊維による摩擦が、肌のバリア機能を低下させます。こまめにマスクを交換し(使い捨てマスクは1日1-2回交換)、肌に優しい素材のマスクを選びましょう。マスク着用前に保湿をしっかり行い、可能な場合は定期的にマスクを外し換気することも重要です。

その他の外的刺激

頬杖や顔を触る癖、スマートフォンの画面からの雑菌、整髪料のついた髪の接触なども頬ニキビの原因になります。これらの習慣を意識的に改善しましょう。

間違ったスキンケアが頬ニキビを悪化させる理由

良かれと思って行っているスキンケアが、実は頬ニキビを悪化させている可能性があります。

過度な洗顔:1日に何度も洗顔したり、スクラブ入り洗顔料でゴシゴシ洗うと、肌に必要な皮脂まで奪い、バリア機能を低下させます。すると肌はかえって皮脂分泌を増やしてしまいます。洗顔は朝晩の2回まで、たっぷりの泡で優しく洗い、32-34℃のぬるま湯ですすぎましょう。

保湿不足:「ニキビ肌だから油分は避けるべき」と考え、化粧水だけで済ませると、頬が乾燥し角質が厚くなり、毛穴詰まりが悪化します。化粧水の後は、軽めの乳液やジェルで水分を閉じ込めましょう。

刺激の強い成分の使用:濃度が高すぎたり、肌に合わない場合は炎症を悪化させます。アルコール含有量の多い化粧水、刺激の強いピーリング剤の過度な使用は避けましょう。新しい製品は必ずパッチテストを行い、刺激を感じたらすぐに使用を中止します。

油分の多い化粧品の使用:ファンデーション、コンシーラー、クリームなど、油分の多い化粧品は毛穴を詰まらせます。ノンコメドジェニック、オイルフリーの化粧品を選び、薄づきのメイクを心がけましょう。

ニキビを潰す:潰すと炎症が悪化し、周囲に広がります。また、ニキビ跡や色素沈着が残るリスクが高まります。絶対に潰さず、気になる場合は皮膚科で専門的な処置を受けましょう。

頬ニキビに効果的なスキンケアと成分の選び方

頬ニキビを改善するには、肌に合った成分を選び、適切なスキンケアを継続することが重要です。

ニキビ肌に効果的な成分

サリチル酸(BHA):脂溶性のピーリング成分で、毛穴の奥深くまで浸透し、角質や皮脂を溶かします。

ナイアシンアミド:皮脂分泌の調整、抗炎症作用、バリア機能の改善など多様な効果があり、刺激が少なく敏感肌でも使いやすい成分です。

ビタミンC誘導体:抗酸化作用があり、皮脂の酸化を防ぎます。色素沈着を防ぎ、ニキビ跡を薄くする効果も期待できます。

レチノール:ターンオーバーを促進し、毛穴詰まりを改善します。ニキビ跡の改善にも効果的ですが、刺激が強いため低濃度から始めることが推奨されます。

医療機関専売の成分

アゼライン酸:皮脂分泌抑制、角質正常化、抗菌作用、美白効果を持つ多機能成分で、日本では医療機関でのみ取り扱いがあります。

イソトレチノイン(内服):皮脂腺の活動を抑制し、皮脂分泌を大幅に減少させます。重症ニキビや繰り返すニキビに非常に効果的ですが、医師の管理下での使用が必須です。

ドクターズコスメ:医療機関専売のスキンケア製品は、有効成分の濃度が高く、医学的根拠に基づいて開発されています。CLINIC Wでは、患者様の肌質やニキビの状態に合わせた適切な製品をご提案しています。

正しいスキンケアの手順

クレンジング(オイルフリー、ノンコメドジェニック)→洗顔(低刺激の洗顔料を泡立てて優しく)→化粧水(抗炎症成分や保湿成分を含むものをたっぷりと)→美容液(ニキビケア成分を含むものを重点的に)→保湿(軽めの乳液やジェル)→日焼け止め(朝のみ、ノンコメドジェニック処方)の順で行いましょう。

生活習慣・食事の改善で内側から対策する方法

スキンケアだけでなく、生活習慣と食事の改善も頬ニキビ対策には欠かせません。体の内側から肌環境を整えることで、ニキビができにくい肌を作ることができます。

睡眠の質を高める

7-8時間の睡眠を確保し、22時から深夜2時の間に就寝するのが理想的です。就寝1時間前からスマートフォンやPCの使用を控え、入浴で体を温め、リラックスした状態で就寝しましょう。部屋を暗くし、適温(16-19℃)に保つなど、快適な睡眠環境を整えることも重要です。

ストレス管理

週3-4回、30分程度の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、ヨガなど)はストレス解消に効果的です。深呼吸、瞑想、アロマテラピー、好きな音楽を聴くなど、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。趣味の時間を意識的に作り、ストレスを発散することも大切です。

食生活の改善

積極的に摂取すべき栄養素:ビタミンB群(豚肉、納豆)、ビタミンC(柑橘類、パプリカ)、ビタミンE(ナッツ類、アボカド)、オメガ3脂肪酸(青魚)、食物繊維(野菜、果物)、発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌)を意識的に摂取しましょう。

控えるべき食品:高GI食品(白米、パン、菓子類)、過度な脂質(揚げ物、ファストフード)、乳製品、アルコール、カフェインの過剰摂取は皮脂分泌を増やし、ニキビを悪化させる可能性があります。

その他の重要ポイント

発酵食品や食物繊維を積極的に摂取し、水分を十分に取ることで腸内環境を整えましょう。また、喫煙は肺機能を低下させ、血行を悪化させるため、ニキビ改善のためには禁煙が必須です。

早めに皮膚科で相談すべきケースとは

セルフケアだけでは改善しない頬ニキビは、早めに皮膚科を受診することが重要です。

皮膚科受診が必要な症状

炎症がひどく痛みを伴う、同じ場所に繰り返しできる、広範囲に多数のニキビがある、しこりのように硬くなっている、ニキビ跡や色素沈着が残っている、セルフケアを3ヶ月続けても改善しないなどの症状がある場合は、専門医に相談しましょう。

美容皮膚科で受けられる治療

CLINIC Wでは、以下のような治療を提供しています:

ケミカルピーリング:医療用のピーリング剤で古い角質を除去し、毛穴詰まりを解消します。サリチル酸ピーリング、マッサージピール、ミラノリピールなど、症状に合わせて選択します。

イソトレチノイン(内服):皮脂腺の活動を抑制し、皮脂分泌を大幅に減少させます。重症ニキビや繰り返すニキビに非常に効果的で、根本的な改善が期待できます。医師の管理下での使用が必須です。

アゼライン酸(外用):皮脂分泌抑制、角質正常化、抗菌作用、美白効果を持つ多機能成分で、ニキビの改善と予防、色素沈着の改善に効果的です。

ハイドラジェントル:水流の力で毛穴の汚れを吸引しながら、美容液を導入します。ニキビの原因となる角栓や皮脂を除去し、肌環境を整えます。

ドクターズコスメ:医療機関専売のスキンケア製品は、有効成分の濃度が高く、医学的根拠に基づいて開発されています。患者様の肌質やニキビの状態に合わせた適切な製品をご提案します。

早期受診のメリット

早期に皮膚科を受診することで、ニキビの悪化を防ぐ、ニキビ跡を残さない、治療期間を短縮、根本原因へのアプローチ、精神的な負担の軽減など、多くのメリットがあります。

頬ニキビを予防するために意識したい毎日の習慣

頬ニキビを予防し、繰り返さないためには、毎日の習慣を見直すことが大切です。

基本的な習慣

朝:ぬるま湯で優しく洗顔、化粧水→美容液→軽めの乳液で保湿、ノンコメドジェニック処方の日焼け止めを塗布、薄づきのメイク、バランスの良い朝食

日中:こまめに水分補給(1日1.5-2リットル)、顔を触らない・頬杖をつかない、マスクをこまめに交換、スマートフォンの画面を定期的に消毒

夜:帰宅後すぐにメイクを落とす、シャンプー・コンディショナーを先に済ませ最後に洗顔、丁寧に保湿、清潔な枕カバーで就寝、22時から深夜2時の間に就寝

週単位:枕カバーを週1回以上交換(2-3日に1回が理想)、適度な運動を週3-4回30分程度、食生活のバランスを振り返る、趣味の時間を確保

避けるべき習慣

ニキビを潰す・触る、過度な洗顔(1日2回まで)、熱いお湯での洗顔、タオルでゴシゴシ拭く、不規則な生活・夜更かし、暴飲暴食、喫煙・過度な飲酒は避けましょう。

まとめ

頬のニキビは、皮脂分泌の乱れ、乾燥、摩擦、ホルモンバランスの乱れなど、複数の要因が絡み合って発生します。また、シャンプーの残留、不潔な枕カバー、マスクの長時間着用などの外的刺激も大きな原因となります。

セルフケアのポイント:正しいスキンケア(優しい洗顔、十分な保湿、適切な成分の選択)、生活習慣の改善(質の良い睡眠、ストレス管理、バランスの取れた食事)、外的刺激の回避(枕カバーの清潔さ、マスクのこまめな交換、顔を触らない)を心がけましょう。

医療機関での治療:炎症がひどい、繰り返しできる、広範囲に及ぶなどの場合は、早めに皮膚科を受診することが重要です。ケミカルピーリング、イソトレチノイン、アゼライン酸、ハイドラジェントルなどの専門的な治療により、根本から改善が期待できます。

CLINIC Wでは、一人ひとりの肌質やニキビの状態に合わせた最適な治療をご提案しています。頬のニキビでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。一緒にニキビのない美しい肌を目指しましょう。

ドクター紹介

院長 高橋 渉

院長 高橋 渉

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資格

医学博士(東京大学)国際医学論文の執筆多数

所属学会

日本美容外科学会 正会員
日本美容皮膚科学会 正会員

年表

2008年 新潟大学医学部医学科 卒業
2010年 多摩総合医療センター ジュニアレジデント
その後、東京大学医学部附属病院 シニアレジデント、助教
2020年 大手美容外科 入職
その後、高崎院初代院長、品川院院長、技術指導医を歴任
2022年 東京美容医療クリニック、ウィクリニック勤務開始
2023年 吉祥寺アイビークリニック、盛岡美容外科 勤務開始
2024年 高崎でCLINIC Wを開業

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