2025.11.11

サブシジョンの失敗例とは?起こり得るリスクと後悔しないための対策を徹底解説

「ニキビ跡治療の最終兵器」とも呼ばれるサブシジョン。深いクレーター状のニキビ跡に対して高い効果が期待できる一方で、「失敗した」「効果がなかった」という声も聞かれます。フラクショナルレーザーやダーマペンなどのニキビ治療を繰り返したけれどニキビ跡クレーターが治りきらなかった、という深く凹んだニキビ跡のお悩みを解決する一手となる治療です。

サブシジョンは、特殊な専用の針を使用し、ニキビ跡直下の固くなった皮膚の線維を切り離すことでクレーターを治す治療です。針を刺して皮膚を刺激するだけではなく、皮膚内部でクレーターの原因となっている瘢痕組織を剥離するため、物理的にクレーターを改善させることが可能です。しかし、医師の技術や経験、適応の見極めによって結果が大きく左右される繊細な施術でもあります。

本記事では、群馬県高崎市の美容皮膚科CLINIC Wが、サブシジョンで起こり得る失敗例とリスク、後悔しないための対策を徹底解説します。施術を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

サブシジョンとは?施術の基本と仕組み

サブシジョンの仕組み

サブシジョンとは、ニキビ跡でへこんでクレーター状になった皮膚の下にある固く癒着した組織を針で切り、クレーターの陥没した部分を上に持ち上げる施術です。癒着により皮膚表面が下に引っ張られているため、それを解除することで凹凸を減らすことができます。また、針で切った組織が再生する過程で新しい組織が構築され、へこみを上に押し上げます。

ニキビによる慢性的な炎症が続くと、線維化と言って皮膚の下の組織が固くがちがちになってしまいます。ニキビ肌の方の皮膚が固く厚ぼったくなるのはこのためです。この線維化が局所的に強く起こると、クレーターのように面で凹凸が目立つようになります。サブシジョンでは皮膚の表面から針を刺して、その線維を物理的に切断することで、ニキビ跡のへこみを改善します。

使用する器具について

最近では先が鈍く長いカニューレが主流で、施術後の内出血のリスクを減らすことができます。狭い範囲では鋭い針を使う場合もあり、両方を使い分けることが重要です。

サブシジョンが適しているニキビ跡のタイプ

サブシジョンは、すべてのニキビ跡に有効な治療ではありません。適応をしっかり見極めることが重要です。

ローリング型(ローリングスカー):広い範囲でなだらかにくぼんでいるタイプに特に効果的です。引きつれのような強い凹みに有効です。

深いボックスカー型:垂直に凹んでいて底面が平坦なタイプの深いケースに有効です。ローリング型と混在する場合にも効果が期待できます。

アイスピック型には不向き:開口部が2mm以下と狭くて奥が深いタイプには効果が期待できません。TCAクロスやピコフラクショナルレーザーが適しています。

ヒアルロン酸併用について

サブシジョンでは、ヒアルロン酸注入を併用することで効果を高めることができます。柔らかいヒアルロン酸をサブシジョンで開けた空間に流し込み、凹んだ皮膚を上に持ち上げると同時に、空間が癒着で再度閉じてしまうのを防ぎます。ヒアルロン酸自体は半年ほどで吸収されますが、その間に自分の組織が作られるため、効果が持続します。ニキビ跡の凹みが強い場合には併用を推奨しています。

サブシジョンで起こり得る失敗とは

よくある失敗例|凹みの悪化・内出血・左右差など

凹みの悪化・変形

不適切な施術により、凹みがかえって悪化したり変形したりします。線維の切断が不十分だったり、逆に切りすぎたりすると、思ったような改善が得られません。

内出血・腫れの長期化

通常1〜2週間で内出血は消失しますが、施術範囲が広い場合や出血しやすい体質の方は長期化することがあります。ワーファリンなど血をサラサラにする内服薬を使用中の方は注意が必要です。

左右差・不均一な仕上がり

医師の技術力が不足している場合、左右で仕上がりに差が出たり、不均一な結果になったりします。

しこり・硬結・瘢痕形成

ケロイド体質の方は皮膚が反応して厚くなることがあり、内出血が瘢痕として膨らむことで、しこりとして残るケースがあります。妊娠中の方やケロイド体質の方はサブシジョンを受けることができません。

炎症性色素沈着

アフターケアを誤ると、炎症性の色素沈着が引き起こされる可能性があります。紫外線対策をしっかり行わないと、リスクが高まります。

なぜサブシジョンが失敗してしまうのか?主な原因

適応でないニキビ跡に施術した

サブシジョンは表面のみの凹凸やアイスピック型のクレーターには効果が見込めません。適応を見極めずに施術を行うと、効果が得られず「失敗」と感じます。アイスピック型が混在する場合は、TCAクロスの併用が効果的です。

医師の技術力・経験不足

サブシジョンは医師の手で癒着した線維を切っていく施術で、肌の状態やクレータータイプを見分ける知識、線維を切る技術力が不足した医師の場合、きちんと施術が行えず「失敗」となります。世界中で20年以上行われている実績のある治療ですが、医師の技術力が結果を大きく左右します。

治療回数の不足

サブシジョンは1回で完璧な結果を得ることは難しく、複数回の治療が必要です。1〜3回程度、1ヶ月ほど間隔をあけて治療を繰り返す場合があります。

不適切なアフターケア

施術後のアフターケアは治療効果を最大限に引き出すために重要です。洗顔、化粧は針穴を避ければ当日から可能ですが、施術部位を擦ったり刺激を与えたりすると、症状が悪化します。紫外線対策も必須です。

針とカニューレの使い分けができていない

しこりのリスクを回避するため、通常はカニューレを使いますが、深いクレーターには部分的に針を使用します。経験豊富な医師であれば、適切に使い分け、しこりのリスクを最小限に抑えながら効果的な施術を行えます。

サブシジョン後に後悔する人の特徴と口コミ傾向

事前の期待値が高すぎた

「1回で完全にニキビ跡が消える」と期待していた方は、効果が期待より少ないと感じて後悔します。複数回の治療が必要な場合が多く、深いニキビ跡を改善させてからのほうが、他の治療効果も上がります。

ダウンタイムの長さを理解していなかった

ダウンタイムは1〜2週間程度で内出血が出る場合が多いです。事前に理解し、スケジュールを調整することが大切です。ただし、物理的にクレーターを改善させることが可能な有効な治療であることを理解しましょう。

適応でないニキビ跡に施術を受けた

アイスピック型や表面のみの浅いニキビ跡に対してサブシジョンを受けた方は、効果が得られず後悔します。カウンセリング時に適応を確認することが重要です。範囲の広い浅いニキビ跡にはダーマペンが適しています。

失敗を防ぐために確認すべき医師の技術と経験

サブシジョンの症例数と実績

サブシジョンを失敗に終わらせないためにも、クリニック選びの際は経験が豊富な医師が在籍しているかどうかを確認するようにしましょう。具体的には、年間どのくらいのサブシジョン症例を行っているか、症例写真が豊富にあるかを確認すると良いでしょう。症例写真では、治療期間・回数・費用・リスク・副作用が明示されているかもチェックポイントです。

ニキビ跡のタイプを正しく診断できるか

ニキビ跡には様々な種類があり、それぞれに適した治療法があります。サブシジョンが適応かどうかを正しく診断できる医師を選ぶことが重要です。カウンセリング時に、医師が丁寧に肌を診察し、ローリング型、ボックスカー型、アイスピック型を見分け、サブシジョンの適応かどうかを判断してくれるクリニックを選びましょう。

針とカニューレの使い分けができるか

しこりのリスクを回避するために、針とカニューレを適切に使い分けられる医師を選びましょう。最近ではカニューレといって先が鈍く長い針が使われる手法が主流になっており、施術後の内出血のリスクを減らすことができます。狭い範囲を治療する場合は鋭い針を使った方法が効果的な場合がありますので、両方の方法を使い分けられる医師が理想的です。

他の治療法との組み合わせを提案できるか

サブシジョンで深いニキビ跡を改善させてから、ポテンツァやダーマペン、ピコフラクショナルレーザーなど肌表面の治療を組み合わせるとより効果的です。表面のへこみにはダーマペン、ニキビ跡の赤みにはVビーム、アイスピック型にはTCAクロスなど、症状によって施術の組み合わせを提案できる医師が信頼できます。

サブシジョン後に違和感を感じたときの対処法

内出血・腫れが長引く場合

通常、内出血や腫れは1〜2週間で消失しますが、それ以上長引く場合は、施術を受けたクリニックに相談してください。冷やす、安静にするなどの対処法を指導してもらえます。むくみ、鈍痛などの症状も同様に相談しましょう。

痛みが強い場合

施術後に強い痛みが続く場合や、しこりができた場合は、すぐにクリニックに相談してください。必要に応じて、鎮痛剤の処方やステロイド注射などの治療を受けることができます。

色素沈着が起こった場合

炎症性色素沈着が起こった場合は、外用薬やピーリング、レーザー治療などで改善できる場合があります。紫外線対策をしっかり行い、早めにクリニックに相談してください。

修正・再施術は可能?適切な対応と注意点

修正・再施術は可能

サブシジョンで満足のいく結果が得られなかった場合、修正・再施術は可能です。1ヶ月ほど間隔をあけて治療を繰り返す場合もあります。また、サブシジョンが適していなかった場合は、ダーマペン、ピコフラクショナルレーザー、TCAクロスなど、他の治療法への切り替えを検討することもできます。診察で最適なニキビ跡の治療を決めてから治療に移ります。

サブシジョンが向いている人・向いていない人

サブシジョンが向いている人

ローリング型(ローリングスカー)や深いボックスカー型のニキビ跡がある人、フラクショナルレーザーやダーマペンで効果が得られなかった人、1〜2週間のダウンタイムを確保できる人、1〜3回程度の施術を継続できる人に向いています。

サブシジョンが向いていない人

アイスピック型や表面のみの浅いニキビ跡がある人、ケロイド体質の人、妊娠中の方、ワーファリンなど血をサラサラにする内服薬を使用中の方、ダウンタイムを取れない人には向いていません。

よくある質問(FAQ)

Q. サブシジョンはどのくらいの間隔で治療を受ければいいですか?

A. 1回で十分な効果が出れば1回で治療を終了することもありますし、3回程度、1ヶ月ほど間隔をあけて治療を繰り返す場合もあります。治療効果をみて、回数や間隔を決めます。

Q. サブシジョン単独でニキビ跡の治療は可能ですか?

A. 深いニキビ跡にはサブシジョンを使って治療することが多いですが、他のニキビ跡の治療と組み合わせるとより有効です。表面のへこみにはダーマペン、ニキビ跡の赤みにはVビーム、アイスピック型にはTCAクロスなど、症状によって施術の組み合わせは変わります。診察で最適なニキビ跡の治療を決めてから治療に移ります。

Q. サブシジョンのダウンタイムはどのくらいですか?

A. サブシジョンの範囲により程度の差はありますが、内出血が出ることが多いです。内出血が出た場合は、1週間から2週間ほど紫色や黄色になりますが、最終的には吸収されて消えます。洗顔、化粧は針穴を避ければ当日から可能です。

まとめ

サブシジョンは、深いクレーター状のニキビ跡(特にローリング型や深いボックスカー型)に高い効果が期待できる治療法です。フラクショナルレーザーやダーマペンなどで治りきらなかった深く凹んだニキビ跡のお悩みを解決します。しかし、しこりの形成、凹みの悪化、内出血の長期化、左右差、炎症性色素沈着などの失敗例があり、適応の見極めミス、医師の技術力・経験不足、治療回数の不足、不適切なアフターケアなどが原因で起こります。

失敗を防ぐためには、サブシジョンの症例数と実績が豊富で、ニキビ跡のタイプを正しく診断でき、針とカニューレの使い分けができる経験豊富な医師を選ぶことが重要です。ローリング型や深いボックスカー型のニキビ跡があり、ダウンタイムを取れる人に向いています。一方、アイスピック型や表面のみの浅いニキビ跡がある人、ケロイド体質の人、妊娠中の方には向いていません。

CLINIC Wでは、美容診療実績10,000件以上の経験豊富な医師が、お一人お一人の肌状態を詳しく診察し、サブシジョンが適応かどうかを正しく判断いたします。ダーマペン、ピコフラクショナルレーザー、TCAクロス、ポテンツァなど他の治療法との組み合わせも含めて、最適な治療計画をご提案いたします。ニキビ跡でお悩みの方は、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。群馬県高崎市でニキビ跡治療をお考えなら、高崎駅から徒歩5分のCLINIC Wまでご相談ください。

ドクター紹介

院長 高橋 渉

院長 高橋 渉

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資格

医学博士(東京大学)国際医学論文の執筆多数

所属学会

日本美容外科学会 正会員
日本美容皮膚科学会 正会員

年表

2008年 新潟大学医学部医学科 卒業
2010年 多摩総合医療センター ジュニアレジデント
その後、東京大学医学部附属病院 シニアレジデント、助教
2020年 大手美容外科 入職
その後、高崎院初代院長、品川院院長、技術指導医を歴任
2022年 東京美容医療クリニック、ウィクリニック勤務開始
2023年 吉祥寺アイビークリニック、盛岡美容外科 勤務開始
2024年 高崎でCLINIC Wを開業

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