ニキビ治療の切り札・イソトレチノインとは?
イソトレチノインは、中等度・重度のニキビに対してヨーロッパなどの治療ガイドラインで推奨されているビタミンA誘導体の内服薬です。国際的には30年以上1,300万人以上の臨床使用歴のあるニキビ治療の鍵となる飲み薬です。アメリカやヨーロッパでは重症ニキビの第一選択薬とされていますが、残念ながら日本ではまだ認可されていません。
当院ではニキビ・皮脂・毛穴詰まりの自費診療として、イソトレチノイン(アクネトレント)の処方をしています。

作用
皮脂腺を萎縮させる
皮脂の分泌を大きく減らします。これにより、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖しなくなり、抗生物質などより効果的に作用します。
抗炎症作用
ニキビによる炎症をおさえる働きがあります。
毛穴づまりの改善
皮膚の角化異常を改善し、皮脂による毛穴づまりを解消します。これによりニキビによる炎症も鎮静化されます。
服用方法・期間・用法用量
- 1日1回、食後に内服 (飲み忘れても翌日多く服用は禁止)
- 20mg錠1錠から開始します。治療経過や乾燥症状によって、減量増量の調整を行います。
- 体重70kg以上の方は30-40mgから開始することもあります。
- 皮脂のコントロールのみの方は10mgも選択肢となります。
- 1クール6ヶ月(最長10ヶ月、その後3ヶ月の休薬が必要) 再度服用可。
◎ 一定量の内服蓄積でニキビ再発を予防
イソトレチノイン内服の積算量 120mg/kg以上で再発予防につながると考えられています。
体重50kgの方が1日20mg1錠内服する場合は、約10ヶ月の内服期間となります。
(6,000mg/50kg分に到達するまで300日計算となるため)
このような方におすすめ
- 中等症から重症ニキビがあり、皮膚科の治療でよくならない
- ニキビ跡を残さないよう早めに治療したい
- フェイスラインやあごの大人ニキビが治らない
- 硬いしこりのあるニキビができやすい
- 毛穴づまりや皮脂のざらつき、黒ずみを抑えたい
メリット、デメリット
メリット
- 1日1回の内服だけで、高い効果のニキビ治療ができる
- ダウンタイムがない
- 一定期間の内服後はニキビ予防効果がつづく
デメリット
- 乾燥などの副作用がある
- 避妊が必要になる
- 効果に即効性はなく、徐々にニキビが減っていく経過
主な副作用
- 皮膚や粘膜の乾燥
- ドライアイ、結膜炎などの眼症状
- 鼻出血(鼻粘膜の乾燥による)
- 肝酵素や脂質値の上昇
- 頭痛、関節痛
- 吐き気などの消化器症状
- 光線過敏
- うつ症状の悪化
- 催奇形性(胎児への影響)
- 赤みやかゆみ(ビタミンAによるもの、内服中止で改善)
- 好転反応(内服開始1ヶ月以内ごろの、一過性のニキビ悪化)
注意事項
・肝機能障害などが起きていないか、定期的な採血で確認が必要です。
・妊娠中は服用禁忌、内服中は確実な避妊が必要なお薬です。
(避妊期間: 女性は、治療前1ヶ月、治療中、治療後3ヶ月。男性は、治療中、治療後3ヶ月)
・光の感受性が高くなるため、内服中はレーザー治療や光治療の副作用が強くなり得ます。日焼けを避け、肌治療後は保湿をしっかり行ってください。
・内服中は、開腹手術や切開を伴う美容外科手術は避けてください。
・献血禁止:内服中、服用終了2ヶ月まで
・一部抗菌薬の併用禁止(テトラサイクリン系)
※内服できない方: 妊娠中またはその可能性がある、授乳中、12歳未満、肝機能障害、脂質異常症、コントロール不良のうつ病、12-18歳の身長が伸びている方、採血指示に従えない方