イソトレチノインは、中等度・重度のニキビに対してヨーロッパなどの治療ガイドラインで推奨されている薬品です。国際的には30年以上1,300万人以上の臨床使用歴のあるニキビ治療の鍵となる飲み薬です。アメリカやヨーロッパでは重症ニキビの第一選択薬とされていますが、残念ながら日本ではまだ認可されていません。当院では自費診療での処方ができます。
作用
皮脂腺を萎縮させる
皮脂の分泌を大きく減らします。これにより、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖しなくなり、抗生物質などより効果的に作用します。
抗炎症作用
ニキビによる炎症をおさえる働きがあります。
毛穴づまりの改善
皮膚の角化異常を改善し、皮脂による毛穴づまりを解消します。これによりニキビによる炎症も鎮静化されます。
服用方法・期間
- 1日1回1-2錠(内服) (飲み忘れても翌日多く服用は禁止)
- 1クール6ヶ月(最長9ヶ月、その後3ヶ月の休薬が必要) 再度服用可。
一定量の内服蓄積でニキビ再発を予防します。
効果に即効性はなく、徐々にニキビが減っていく経過をたどります。
主な副作用
- 皮膚や粘膜の乾燥
- 催奇形性(妊娠中は服用禁忌、内服中は避妊が必要)
避妊期間: 女性は、治療前1ヶ月、治療中、治療後3ヶ月。男性は、治療中、治療後3ヶ月) - 赤みやかゆみ(ビタミンAによるもの、内服中止で改善)
- 好転反応(内服開始1ヶ月以内ごろの、一過性のニキビ悪化)
注意事項
- 光感受性の高まり
光の感受性が高くなるため、イソトレチノイン内服中はレーザー治療や光治療ができません。また、日焼けもお控えください。 - 献血禁止:内服中、服用終了1ヶ月まで
- 一部抗菌薬の併用禁止(テトラサイクリン系)